小津神社 長刀祭
毎年5月5日に開催される長刀祭りは、祭りの様子から別名長刀踊りとも言われています。 国の選択無形民俗文化財にも指定されるこの祭りは、小津神社から1日かけて赤野井町にある小津若宮神社までを往復するというもの。
地元の町内が毎年順番に神輿担ぎと踊りを担当。8年に一度回ってくる華やかで盛大な歴史あるお祭りです。
ここでは、長刀祭りについてご紹介して行きます。
祝ユネスコ無形文化遺産登録!!
下新川神社、小津神社「近江のケンケト祭り長刀振り」
令和4年11月30日、守山市の下新川神社(幸津川町)および小津神社(杉江町)で実施される国指定重要無形民俗文化財「近江のケンケト祭り長刀振り」を含む全国41件の祭礼が「風流踊(ふりゅうおどり)」としてユネスコ無形文化遺産に登録されました。守山市において、ユネスコ登録された祭礼はこれまでなく、地域の宝としてはもちろん、世界の宝として認められました。
※「ユネスコ無形文化遺産」とは
平成15年にユネスコ総会で「無形文化遺産の保護に関する条約」が採択され、世界各地の重要な伝統
芸能や社会的風習、祭礼などを「人類の無形文化遺産代表的な一覧表」に記載(登録)するなどして、
保護や援助を行っています。
※「近江のケンケト祭り長刀振り」とは
守山市、甲賀市、東近江市、竜王町に伝承される祭礼芸能であり『近江のケンケト祭り・長刀振り』
として国の無形民俗文化財に登録されています。
※「風流踊(ふりゅうおどり)」とは
華やかな、人目を惹く、という「風流(ふりゅう)」の精神を体現し、衣裳や持ちものに趣向をこら
して歌や笛、太鼓、鉦(かね)などに合わせて踊る民俗芸能。
除災や死者供養、豊作祈願、雨乞いなど、安寧な暮らしを願う人々の祈りが込められ実施されます。
小津神社 長刀祭り
長刀祭りは長刀踊りともいわれ、国選択無形民俗文化財に指定されています。
千四百年の昔、欽明天皇のころ、琵琶湖の氾濫により湖中へ流失した神霊を迎えた際、氏子らが踊りを奉納したのが、この祭りの始まりとの言い伝えられています。
小津・玉津の両学区11町の範囲で毎年順番に踊りと神輿担ぎを担当し、8年に一度まわってきます。
この祭りには、一列になって行進しながら手に持った長刀を振る「長刀振り」と、その後に続くササラ・笛・鉦(しょう)・鼓(つづみ)・太鼓などの囃子(はやし)に合わせて音頭を取りながら踊る「田楽踊り」の2つに分かれています。この2つを総称して「長刀振り」と呼んでいます。
〈 自治会館前にて移動前の集合風景 〉
〈 小津神社にて田楽踊りを奉納 〉
8年に一度まわってくる祭りの当番。鮮やかな衣装のササラが人気です。ササラに出られるのは、小学生の女の子だけとあって、激しい競争率の中、約20名が選ばれます。
笛は中学生・高校生が担当します。踊りの花形は、太鼓打ちで小学校低学年の男の子が担当します。太鼓打ちは、町内にある4つの地区で順番にまわっています。この年の太鼓打ちは、8年後お師匠さんとなって戻ってきます。
約1か月毎日自治会館で練習が行われ、4月29日の御出祭、5月4日の宵宮、そして5月5日の本番に望みます。
本番の5日は、午前9時30分から、杉江町の大鳥居前から踊りが開始され小津神社参道を、正午過ぎからは、赤野井町に場所を移し、若宮神社まで踊りなどを披露しながらの練り歩き。午後4時ごろからは、赤野井町の西別院や若宮神社前の通り、杉江町小津神社参道の順で長刀の芸などを披露します。
〈 長刀振り小津神社出発風景 〉
〈 馬場通り風景 〉
祭の列は、長刀踊り・田楽踊りを合わせて総勢250人にも及びます。
かねや太鼓の音頭とともに小、中学生を中心に踊り手が「ヤーアイ」の掛け声とともに長刀を左右に振り回しながらの行列や、また鮮やかに長刀を上空へ放り上げたり、体を回転させる妙技を披露します。
赤野井町の若宮神社から杉江町の小津神社までを踊りながら帰る風景は圧巻です。
そして、長刀振り・田楽踊りとも毎回衣装が新調されるのも、この祭りの楽しみの1つです。
御神輿は、大人の神輿が三社、子どもの神輿が二社です。よ~く見ていると御渡りの時と、還られる時とで御神輿の順番が違っているのに気づきます。これには理由があって、里帰りした三宮の神様が帰るのを嫌がって・・・と言う事です。御神輿が桟敷の前を行ったり戻ったりするのは、別れを惜しんでと言うことでしょうか?そんな逸話も含め小津神社長刀祭りを見て体験してお楽しみください。